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撮影と計測

スイングのスロー動画、fps は半分でしかない

スロー動画が計測に耐えるかどうかは二つの設定で決まり、そのうちスマホのメニューに出てくるのは片方だけです。コマとコマの間の空白と、一コマの中の流れ。この二つを分ける計算を並べます。

オーストラリアのプロ、Eric Cremin がブリスベンの大会でスイングしている白黒写真。
オーストラリアのプロ、Eric Cremin がブリスベンの大会でスイングしている白黒写真。 State Library of Queensland, No known copyright restrictions

ダイヤルは二つ、スマホが見せるのは一つ

約8倍その研究のシャッターは、自分のコマ間隔よりどれだけ短かったか

フレームレートが答えるのは、センサーが何回に一度撮るのかという問いです。シャッタースピードが答えるのは、その一回ごとにどれだけ長く開いているのか。RED Digital Cinema はシャッターアングルを、後者を前者との比で言い表す方法だと説明し、上限を360度に置いています。その上限では、露出の長さが一コマの長さとぴたり同じになります。24 fps で180度シャッターなら、およそ1/48秒。上限より下では、光が決めます。

ゴルフの文献では、どちらも選ばれているのが見えます。低価格の映像解析パッケージ3種をゴルファー12人で試した Scientific Reports の研究は、カメラを高さ1m、距離4mに据え、論文自身の書き方を借りれば、シャッタースピード1/2000、240 Hz で記録する設定にしました。一コマは1/240秒。シャッターが開いていたのは、その8分の1です。スマホが渡してくれるのは前の数字で、後ろの数字は隠されています。

コマとコマの間でヘッドがすること、一コマの中ですること

約8インチ1/240秒の露出1回でヘッドが進む距離、時速115マイルのドライバー

トラックマンは PGA ツアーのドライバーのヘッドスピードを時速115マイル、秒速およそ169フィートとしています。60 fps なら隣り合うコマの間にヘッドは約34インチ進み、240 fps なら約8インチ。この縮んでいく隙間こそ、レートを上げて本当に買えるものです。そして見たかった位置の近くにコマが存在するかどうかも、ここで決まります。

流れのほうは別の掛け算です。同じ秒速169フィートに掛けるのは、コマ間隔ではなく露出時間。1/2000秒なら、シャッターが開いている間にヘッドが進むのは約1インチ。1/1000秒で2インチ。240 fps のクリップが取り得る最長の露出である1/240秒では約8インチ、コマ間に移動した距離まるごとです。コマが足りなければ、その位置は記録されなかった。露出が長すぎれば、記録されたのは筋です。レートを上げて手当てできるのは前者だけです。

暗い打席が明るい駐車場に負ける理由

2〜1,000ルクス照度センサー研究の屋内レベル、日向の20,000〜100,000ルクスに対して

スマホの絞りは固定です。だからフレームレートが決まった時点で、カメラに残る取引材料は二つしかありません。どれだけ長く露光するかと、どれだけ強く増幅するか。露出はコマ間隔を超えられないので、ほかが何も決まらないうちに、240 fps は上限を1/240秒に押さえてしまいます。

次に光です。ウェアラブル照度センサーの研究は、屋内2から1,000ルクス、屋外は曇天の5,000ルクスから日向の100,000ルクスまでの範囲で機器を校正しました。この研究でいちばん明るい屋内と、いちばん明るい屋外には、2桁の開きがあります。屋内ではカメラが露出時間を使い切り、増幅を始める。増幅とはノイズのことで、ノイズリダクションは輪郭を甘くします。

屋外の60 fps では1/60秒がまるまる使えて、その大半は必要ありません。光がカメラを1/1000秒に落ち着かせてくれるなら、ヘッドの流れは8インチではなく2インチです。明るい60 fps のクリップは暗い240 fps のクリップに勝つ、という撮影ガイドの原則の下には、この計算があります。

音で確かめる

クリックは3回。テークバック、トップ、インパクトです。まずツアーのテンポから始めて、自分が実際に振れるものに合わせてください。

流れは、測っている角度に何をするか

姿勢トラッキングは、関節の上に点をひとつ置かなければなりません。くっきりしたコマは、輪郭のある手首を差し出します。ブレたコマが差し出すのは帯で、点はその内側のどこかに落ち着きます。角度はそういう点2つから引かれるので、線の両端が揺れることになります。

短い部位ほど影響が大きい。画面上で100ピクセルの長さの部位を考え、両端がそれぞれ真の位置から8ピクセルずれ得るとします。その2点を通る線は数度ぶん振れます。スイング自体は何も変わっていないのにです。解像度は助けになりません。同じ流れは4Kのコマでも1080pのコマでも、占める割合が同じだからです。ピクセルが増えて効くのはもう一方の誤差、輪郭の上に点を置くときのゆるみのほうです。

厄介なのは方向です。ブレは、引き算できる一定量を足してはくれません。足すのはばらつきで、そのばらつきが、あるクリップと次のクリップを食い違わせます。スマホが正直に出せる数字がどれかは、スマホがスイングの何を測れるのかを扱ったガイドの担当です。ゴルフスイングでモーションブラーが関節角度の誤差をどれだけ増やすのか、数字を出した研究は発表されていません。フレームレートの経験則は、物理からの推論として扱ってください。

iPhone と Pixel で効く設定

Apple の iPhone 17 Pro の仕様には、スローは1080pで最大240 fps、4K Dolby Vision は最大120、通常の4K動画は24、25、30、60、100、120 fps と書かれています。240を選ぶと露出に上限がかかるだけでなく、4Kのコマも手放すことになります。Google のカメラヘルプは、Pixel のレートを毎秒のコマ数の切り替えに置き、4Kは60 fps で頭打ち、いちばん速い被写体には1/8倍速を勧めています。

どちらの標準アプリもシャッターは触らせてくれません。両方のストアで無料の Blackmagic Camera は触らせてくれます。フレームレート、シャッターアングル、ホワイトバランス、ISO が一つのパネルに並び、レートは端末に応じて24 fps から120 fps まで。そして、画像のモーションブラーの量をコントロールする手段がシャッタースピードだと、はっきり書いています。

ここから出てくる順番は、光、レート、解像度です。どこに立ち、クラブをどう画面に収めるかは撮影ガイドの担当。Pebble Swing は、渡されたコマがどんなコマであれ、そこから関節の角度とバックスイングとダウンスイングのテンポ比を読み取ります。だからこそ、そのコマの露出はセットアップの1分に見合います。

よくある質問

全部240 fps で撮ればいいのでは。
使える光があるところだけです。1コマの露出は1/240秒を超えられないので、暗い打席ではカメラが足りない分をゲインで埋め、速い動きをノイズだらけの甘い絵にして返してきます。iPhone では、この選択で1080pに落ちます。4Kは120 fps で止まるからです。
240 fps のクリップ、スマホで見る分にはきれいです。それでいいのでは。
腕の長さで見る小さな画面は、トラッカーが無視できないノイズと甘さを隠します。トラッカーが読むのは印象ではなくピクセルだからです。ダウンスイングのどこかのコマまでスクラブして、リード側の前腕を拡大してください。輪郭が線ではなくグラデーションになっていれば、そのコマは甘い。
アプリで動画をスローにするのでは駄目ですか。
駄目です。再生速度と撮影レートは別の量です。30 fps のクリップを4分の1速にすると、記録済みの各コマを長く表示するか、その間にコマを作り出すかのどちらかになります。どちらにしても、スイングの新しい瞬間は記録されていません。撮っていないコマは取り戻せません。
スマホで1/2000秒のシャッターを狙う価値はありますか。
明るい日の屋外で、設定できるアプリを使うなら、時速115マイルのヘッドを8インチの筋から約1インチに変えるのがその設定です。屋内では、実用になるゲインの範囲でそこまで届きません。発表されたゴルフの研究が1/2000を使ったのは、専用カメラでの話です。

出典

このページの数字はすべてこの中のいずれかによります。

  1. An evaluation of temporal and club angle parameters during golf swings using low cost video analyses packages, Scientific Reports (PMC)
  2. RED Digital Cinema: Shutter Angle Explained
  3. Apple: iPhone 17 Pro technical specifications
  4. Google Pixel Camera Help: Record a video on your Pixel phone
  5. TrackMan: What is Club Speed?
  6. Performance of wearable light sensors for measuring photopic and melanopic illuminance (PMC)
  7. Blackmagic Design: Blackmagic Camera app