ミスの正体
チキンウィングの原因は、もっと手前にある
左ひじが折れるコマは、連なりの最後の一枚であって、最初の一枚ではありません。どのダウンスイングがその形を強いるのか、モーションラボが12人のプロで何を測ったのか、そして原因が自分の動画のどこに隠れているのかを扱います。
そのコマは、ボールが飛んだあとに来る
Titleist Performance Institute はチキンウィングを、インパクトにかけて左ひじを曲げ、左手首を甲側に折るプレーヤーの、左腕の見え方だと定義しています。スマホの動画では、ひじがあばらから離れ、前腕が浮き、クラブヘッドがまだ目標方向へ出ていく途中で腕がたたまれます。
あのコマは証拠であって、出来事ではありません。ひじが目に見えて曲がった時点でボールはフェースを離れているので、画面に写っているものはこのショットに触れていない。写っているのは、自分のダウンスイングが腕をどんな形に押し込んだかという報告です。原因を探しに行くつもりなら、曲がりそのものより、そちらのほうが値打ちがあります。
答えが4分の1秒手前にある理由
233〜296ミリ秒ドライバーの TPI 3D ダウンスイングレンジ
動画からスイングの時間を測る方法について TPI に書いたフィル・チーサムは、ドライバーのダウンスイングの TPI 3D レンジを233ミリ秒から296ミリ秒としています。トップでクラブが方向を変えてからボールに届くまで、窓はそれで全部です。
これだけ短い窓は、判断を下す場所ではありません。左腕がインパクトを通過するあいだに何をするかは、その窓へクラブがどう入ってきたかで決まっている。窓の中で試みた何かで決まるのではない。このミスは、それを作ったコマではなく、それが見えるようになったコマの名前で呼ばれています。
腕の逃げ場をなくす二つのダウンスイング
GOLF.com の Top 100 Teacher であるケリー・ステンゼルは、チキンウィングをスイングのもっと手前にある問題への必要な代償だと呼び、最初の候補にオーバー・ザ・トップを挙げます。そのあとクラブは急になりやすい。オーバー・ザ・トップについては別の記事があります。要点は腕が受け継ぐ幾何のほうです。ラインの外から入ってきた急なクラブヘッドは、地面と目標の左へ同時に向かう。左腕をたためば半径が短くなり、円弧は持ち上がります。
手首センサーの HackMotion に書くブリット・オリザロウィッツは、反対の端から同じものを名指しします。開いたフェース、左手首の伸展のしすぎ、そしてアウトサイドインの軌道。それを彼女は、フォロースルーで左腕が体から離れていく動きだと説明しています。フェースが開いていて軌道もすでに左なら、左腕を伸ばしきったところでクラブはさらに左へ出るだけで、フェースは何も閉じません。このたたみに対して TPI が出す請求書は、パワーの損失、増えるロフト、過剰なスピンです。
音で確かめる
クリックは3回。テークバック、トップ、インパクトです。まずツアーのテンポから始めて、自分が実際に振れるものに合わせてください。
まっすぐに見える腕を、ラボは何と測るか
37.9°女子プロ12人、ドライバーのインパクトでの左ひじ屈曲
Frontiers in Sports and Active Living に2026年に載った研究は、右利きの女子プロ12人を250 Hz の Qualisys モーションキャプチャの前に立たせ、スイング中の四つの瞬間で関節角度を読みました。ドライバーの左ひじ屈曲は、トップで平均42.5度、インパクトで37.9度。5番アイアンでは41.3度と35.3度でした。ひじは下ろす途中で4〜6度を返し、アイアンでは半分まで行く前にさらに深く曲がっています。
数字を借りる前に但し書きを読んでください。ゴルファー12人、ラボは一つ、マーカーモデルも一つ、そして関節角度は分度器を当てて出したものではなく、ソフトウェアが計算した値です。研究は同時に、左ひじ屈曲とキャリー、ヘッドスピード、ミート率のあいだに有意な相関を見つけていません。このミスを切り分けるには狭すぎる範囲での、帰無の結果です。残るのは方向のほうです。写真でまっすぐに見える左腕も、0を指してはいない。
ツアーのフェアウェイキープを率いた、曲がった左腕
10年カルビン・ピートが PGA TOUR のドライビングアキュラシー首位を続けた期間
カルビン・ピートは子どものころ、祖母の家で木から落ちて左腕を3か所折りました。PGA TOUR が彼のキャリアを紹介する記事は、その腕を、ゴルフスイング中はできるだけまっすぐ保たなければならない腕と呼んでいます。彼はドライビングアキュラシーでツアーの首位を10年続けました。
周囲がそれをどう受け取ったかも、ツアーは書き残しています。あの事故がスイングを制限し、方向を保たせ、大きなミスを彼のゲームから取り除いた、と多くの人が感じていた。それを測った人はいません。ここではっきりするのは、形そのものはミスではないということです。短くて、短いままの腕は固定された半径になる。ダウンスイングでは長く、ボールがフェースに乗っている最中にたたまれる腕は、いちばん悪いタイミングで変わる半径です。
自分の動画では、どこを見るか
フォロースルーを探すのはやめてください。飛球線後方から撮り、ダウンスイングで手が腰の高さあたりに来たコマを見つけ、シャフトがどれだけ急に指しているか、ボールに対して手がどれだけ外に出ているかを見ます。次に正面から撮り、インパクトとその後の2コマをコマ送りで確かめます。
二つの報告を分けるのはタイミングです。インパクトのコマですでにたたみ始めている腕は、接触の前に場所を失ったダウンスイングのもの。3コマあとに現れるたたみは、どの左腕もいずれはやることを腕がやっているだけです。ダウンスイングに変わったところがないのに腕がたたまれるなら、TPI が挙げるもう一つの候補は左肩の外旋の不足です。Pebble Swing は動画のコマから関節の角度を、動きからバックスイングとダウンスイングのテンポ比を読み取ります。ひじの角度は、画面という平面の中に寝ている角度です。
よくある質問
- チキンウィングが飛距離を削っているのでしょうか。
- TPI はパワーの損失を生み、ロフトを増やしスピンを過剰にしやすいとしているので、無料ではありません。Frontiers の研究のほうは、左ひじ屈曲とキャリー、ヘッドスピード、ミート率のあいだに有意な関連を見つけていません。ただしそれは、狭い範囲に収まったプロ12人の話です。値札は腕ではなく、ダウンスイングに付けてください。
- インパクトで左腕をまっすぐ保てば直りますか。
- それだけで直ることは、まずありません。TPI の 3D レンジではダウンスイングは233から296ミリ秒で、クラブの進行方向が反対のことを言っている位置を保持する余地はありません。ヘッドが急に、しかも外から入ってくるなら、伸ばしきった左腕はクラブを地面か、さらに左へ送り込みます。先に変えるのはダウンスイングです。
- チキンウィングが出たら必ずスライスですか。
- いいえ。TPI と HackMotion がそろって描く組み合わせ、つまり急なアウトサイドインのダウンスイングと開いたフェースは、スライスのレシピであり、いちばんよくある形です。ただしたたみは、腕の場所を奪うものへの反応であって、どちらの資料も一つの原因ですべてのスイングを説明できるとは言っていません。腕を見るより、ボールがどこへ出るかのほうが早く見分けがつきます。
- スイングではなく、肩のほうが理由ということはありますか。
- TPI は左肩の外旋の不足を原因の一つに挙げ、ダウンスイングを始められずクラブを急なままにする下半身も並べています。同じ画に見えて、別の問題です。ハーフウェイダウンのコマが悪くないのに腕がたたまれるなら、左肩の可動域を確かめるほうが、次の一手としては安く済みます。
出典
このページの数字はすべてこの中のいずれかによります。
- Titleist Performance Institute: Chicken Winging
- Phil Cheetham, TPI: Measuring the Timing of the Golf Swing from Video
- Frontiers in Sports and Active Living: The effect of joint angles on shot performance during the swing with different clubs among female professional golfers
- Kellie Stenzel, GOLF.com: 5 keys for fixing the 'chicken wing' in your golf swing
- Britt Olizarowicz, HackMotion: Fix Your Chicken Wing Golf Swing
- PGA TOUR: Calvin Peete, golf's most unlikely success story