ミスの正体
アーリーエクステンション:気づけない腰の動き
TPIが計測したゴルファーの3分の2は、ダウンスイングで腰がボールへ向かって出ています。読み終えるころには、それを自分の動画で見つける方法と、その先にやることがわかります。
ズボンのお尻に、一本の線を引く
スマホを自分の後ろ、飛球線の延長上に置いて、後方から撮ります。アドレスで止めて、お尻に触れる垂直の線を一本引いてください。
そのまま再生します。腰が回って開いていくにつれて、左のお尻はその線より後ろへ下がるはずです。アーリーエクステンションはその逆で、インパクトの前に骨盤がボールへ近づき、上体が起き上がります。Titleist Performance Institute(TPI)は、ダウンスイング中に下半身がボールへ向かって前へ出る動きすべてを、こう定義しています。
Pebble Swingはこの線をタッシュラインと呼び、動画から切り出したコマごとに腰の位置を追うので、この動きが数値になって返ってきます。
アマチュアの多数派、ツアー選手の少数派
67%TPIが計測したゴルファーのうちアーリーエクステンションが出る割合
TPIはこれまでに9万人を超えるゴルファーを計測しています。そのうち約67パーセントにアーリーエクステンションが出ます。テストした100人以上のPGA・欧州ツアー・LPGAの選手では、これが出るのは1人ほどです。
自分のスイングでは見落としがちです。ボールの上で伸び上がる感じは力強く、しかもその感覚はインパクトと同時に届くので、いいスイングか悪いスイングかという記憶に紛れてしまいます。
クラブが体の後ろに置いていかれる
骨盤がボールへ出ると、上体は起き上がるしかなく、腕を通す隙間がなくなります。TPIはこれを、腕とクラブが体の後ろに詰まる状態だと説明します。保とうとしていたハンドファースト、つまりシャフトの前傾も消えます。
正反対に見える2つのミスが、同じ動きから出ます。フェースを開いたまま振れば、ボールは右へ飛び出します。手で返して助ければフックします。TPIはこれにダフリ、トップ、シャンクを加えていて、飛距離の損失については別の記事を用意しています。
音で確かめる
クリックは3回。テークバック、トップ、インパクトです。まずツアーのテンポから始めて、自分が実際に振れるものに合わせてください。
伸びるのはいい。早く伸びるのが困る
アダム・ヤングは、体が伸びること自体は必要だと言っています。スピードも、バランスも、手の通り道もそこから生まれます。ツアー選手はインパクトを通りながら力強く伸びます。違うのはタイミングです。クラブが下りてきた後に伸びるのか、下ろす代わりに伸びるのか。
たいていは原因ではなく症状でもあります。シャフトが立ちすぎたり、フェースが開いたりしていると、上へ逃がす以外に振る場所がなく、腰はその場所を空けるために引けます。TPIは体の制限とも結びつけています。深くしゃがめないゴルファーは、前傾を保ったまま回るのが苦しくなります。
コーチが使うドリル
アドレスでお尻の後ろに椅子を当て、触れたまま振ります。まずはハーフスピードで。バックスイングでは右のお尻が椅子を押し、切り返しからは左のお尻が椅子に残ります。椅子が離れた瞬間が、アーリーエクステンションが出た瞬間です。ルドビグ・オーバーグは子どものころ、このドリルをやっていました。
椅子がなければ壁でも同じです。切り返しで、少なくとも片方のお尻が壁に触れていること。TPIのピケットフェンス・ドリルは、腰を前に流さずに回すことを覚えさせます。ディープスクワットの練習は、その下にある可動域に効きます。
そのあと、同じ場所から同じスイングを撮って、もう一度線を引きます。
よくある質問
- アーリーエクステンションは必ず悪いのですか
- いいえ。体が伸びることはいいスイングの一部で、ツアー選手も全員インパクトを通りながら伸びています。問題は、クラブが下りてくる前という早い段階でやること、そして上へではなくボールへ向かって出ることです。
- アーリーエクステンションはスライスの原因になりますか
- 直接の原因ではありません。多くの場合は右へのプッシュか、フックになります。クラブが体の後ろに詰まり、フェースが開いたままになるか、手で返して閉じすぎるからです。
- 直るまでどのくらいかかりますか
- 正直な数字は誰にも出せません。原因が技術なのか、股関節や足首の可動域なのかで変わるからです。測れるのは線のほうです。1〜2週間おきに同じスイングを撮り、骨盤がダウンスイングのどこまで線を守れているかを見てください。
出典
このページの数字はすべてこの中のいずれかによります。
- Titleist Performance Institute: Early Extension (swing characteristic)
- Titleist Performance Institute: Early Extension in the Golf Swing, Causes and Fixes
- Titleist Performance Institute: Why Early Extension Causes a Reduction of Power
- Adam Young Golf: Early Extension
- Golf.com: How a chair can fix the problem plaguing 70 percent of amateur golfers (Alison Curdt)
- Golf Digest: Ludvig Aberg on the indoor drill that fixed his early extension