撮影と計測
スマホがスイングの何を測れるのか
スマホのスイング解析が出す数字のうち、そのまま使えるもの、誤差を含んで読むべきもの、小数点をつけただけの当て推量を見分けられるようになります。
画角の中の角度は正直な数字です
240fps、シャッター1/20002D対3D研究の撮影条件、ゴルファー12人
スマホは立体の動きを撮って、平らな絵として保存します。正面から見たアドレスの前傾角、飛球線後方から見たバックスイング半分でのシャフトの傾き。この平らな絵の中に収まっているものは、ピクセルを数える作業です。
低価格の2D映像解析ソフト3種を、Vicon の3Dモーションキャプチャと比べた研究があります。ゴルファー12人、スイングを5つの局面に分けての比較です。クラブの角度の相関はViconに対して r = 0.920 から r = 0.999、スイング全体の時間には2Dと3Dで有意差がありませんでした。この数字を借りる前に撮影条件を読んでください。カメラはゴルファーから4m、高さ1m、毎秒240コマ、シャッター1/2000です。スマホは一台も検証されていません。
カメラに近づく方向と遠ざかる方向は、すべて推定です
3つのうち2つレンズ1つが実際に見られる座標
MediaPipe のような姿勢推定モデルは、1枚の平らな画像から関節ごとに3つの座標を出します。3つ目の奥行きは、見えているのではなく画像から推定されたものです。レンズが1つでは、比べるためのもう一つの視点がないからです。
だから腰の奥行き、度数で出る肩の回転量、頭がボールからどれだけ動いたかは、同じスイングでも正面の動画と飛球線後方の動画で違う値が出ます。どこに立ててどの高さで構えるかは、撮影ガイドの担当です。
音で確かめる
クリックは3回。テークバック、トップ、インパクトです。まずツアーのテンポから始めて、自分が実際に振れるものに合わせてください。
ヘッドスピードとボール初速は幅のある推定です
約4.5フィート93.4マイル毎時、30fpsでのコマ間のヘッド移動
男性アマチュアのドライバー平均、93.4マイル毎時で考えます。およそ秒速137フィートですから、30fpsならコマとコマの間にヘッドは約4フィート半、60fpsでも2フィート強を移動します。ヘッドは画面上で流れて写り、ボールに当たったその瞬間のコマは、たいてい存在しません。
その映像の中に、インパクトの速度を確定させるものは何もありません。Pebble Swing がヘッドスピードとボール初速を幅で出すのはこのためで、インパクトのヘッドを見て出した値ではなく、体の動きとテンポから導いた値です。幅はあくまで幅として扱ってください。数字そのものが必要なら、弾道計測器の前で打つことです。
何本撮っても出るものが、あなたのスイングです
ゴルファー27人、1人20スイングマーカーレス研究のサンプル
単一動画のマーカーレス解析の研究では、27人のゴルファーを1人20スイングずつ撮影しました。技術の差は前傾角そのものには表れませんでした。表れたのは、その角度が試行ごとにどれだけブレないかでした。うまい人ほど同じことを繰り返していたわけです。
何本撮るべきかまでは、この研究は示していません。3本というのは私自身の下限です。映像の計測誤差には偶然の成分があってスイングごとに動きますが、あなたの癖は動かないからです。3本すべてに出た欠点は、あなたのスイングです。1本にしか出ない欠点は、たぶん光か、カメラの位置か、ソフトが選んだコマのせいです。
よくある質問
- 研究では2D映像とラボの計測装置が一致したそうです。つまり私のスマホも正確ということですか。
- そうとは言えません。あの研究は4m離れ、高さ1mに固定したカメラで、毎秒240コマ、シャッター1/2000、被験者12人という条件です。距離もわからないまま立てかけた30コマや60コマのスマホは別の道具で、スマホは一台も検証されていません。
- 同じスイングなのに、2本の動画で肩の回転量が違って出るのはなぜですか。
- 肩の回転はほとんどがレンズに近づく方向と遠ざかる方向の動きで、1台のカメラが見ることのできない、推定するしかない軸です。正面と飛球線後方では推定の材料が違うので、値が食い違います。回転量は同じ場所から撮った自分のスイング同士でだけ比べてください。
- ヘッドスピードの数字は完全に無視すべきですか。
- おおまかな幅として見る、それ以上には使わないでください。ヘッドを追って出した値ではなく体の動きから推定した値なので、ある変更で3マイル速くなったかどうかは答えられません。それを知りたいときは弾道計測器かレーダーが要ります。
出典
このページの数字はすべてこの中のいずれかによります。
- Scientific Reports: An evaluation of temporal and club angle parameters during golf swings using low cost video analyses packages
- Frontiers in Sports and Active Living: Extracting proficiency differences and individual characteristics in golfers' swing using single-video markerless motion analysis
- BlazePose GHUM Holistic: Real-time 3D Human Landmarks and Pose Estimation (Google Research)
- Golf.com: Here's how fast golfers swing their driver based on handicap
- GolfWRX: What golfers should see in swing videos with proper camera alignment